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 2013.12.03
季節外れの海外登山ってあるのか?』について
 ~アンデス・ブランカ山群で楽しんだ201310月を思い出して~

(暇な時間に続きを書きますので、以下、途中で保留にする可能性があります・・・)

テーマは、「登山の話題」、「花の話題」、「動物の話題」、「町の話題」と続きます。
では、写真とともに幾つかのレポートを加えます。


≪1.登山の話題≫

安全に、あるいは登り易さということを傍らにおけば、果たして登山に季節があるのだろうか?

私は、1970年代前にヒマラヤの8000m峰の冬の縦走を目指したあるグループの計画打合せの会合に高揚感を持って参加していた時期がありました。当時の常識からすれば、無謀に近いと思われる計画でした。しかしながら、隊長のMATSUDAさんの登山経験は勿論、知的で人間性が優れた人柄に集まった誰もが信頼と夢を持っていたのを思い出します。残念ながら、MATSUDAさんがアクシデントに見舞われて計画は頓挫しましたが、登山の楽しみは、登り易さ以外にもあることを知りました。

私のネイチャーガイド的な興味から言えば、登山を含めて、「いつでも」楽しみがあります。
ましてや、今回の私も同様ですが、日本のサラリーマンのように、仕事を抱えて多くの休みを取得し難い立場ならば、楽しめる時間は限定されているでしょう。

さて、私は、雨季突入の201310月にペルーアンデスでの一人旅を楽しみました。
リマから約400㎞、バスで約8時間もかかる高原の町・ワラス(標高3090m、人口8万人)へ移動し、そこから本格的な活動を始めました。
所謂、登山やトレッキング適期以外の時期には、日本からの旅行者の姿をペルー北部のワラス近辺で殆ど出会えませんので、今回、情報としては面白いかもしれません。情報も少ないことから、幾つかを興味ある人たちと共有したいと思います。

私の旅の中心は、趣味の登山ですので、先ずは、登山の参考としてアプローチ状況を含めて簡略に紹介してみます。勿論、登山の季節としては、雨季突入に伴う困難が増すはずです。

紹介の順は、先ず、高度順化のために足を運んだネグラとピスコの状況、そして、登山者にとって興味あるアルパマヨとします。

さて、先ず、ブランカ山群ですが、ペルーの最高峰であるワスカラン(6768m)を筆頭に、6000m峰が25座もあるといわれる南北200㎞の山域です。ネグラ(黒)山域は、ブランカ(白)山群に沿って南北に走るワラス~カラスの町を結ぶ谷の反対側に位置する40005000mの山というか高原というかです。そこからのブランカ山群の景観は、密かな人気となっています。
アンデスと言えば、どうしても氷雪の高峰をイメージするのが一般的ですが、ネグラに立ち寄る価値も見い出せるかと思います。そこでは、素晴らしい景観に加えて、人々が長い歴史を刻みながら家畜とともに生活する厳しくも、ある意味で穏やかな時を感じるような気がします。
とはいっても、私の今回の写真には、褐色の山肌にichuの塊は点々と続いている景観です。
これ以上、素晴らしい景観を言葉で表現しても、土壁というかレンガを積み上げた家屋で質素に生活する様子まで紹介できませんので、先ずは、僅かばかりの写真を載せます。

NEGRAの景観:WillcacochaHuaraz
・・・下段に興味ある写真があればクリックしてみてください(拡大して見ることができます。)


ネグラでのハイキング(高度順化)を終えて、次は、登山を兼ねたPisco5752mへ向かいました。
ワラスに戻ってから初めて町の中をユックリと散策し、止せばいいのにビールを飲み、ペルー料理を楽しみました。それからが熟睡できず、下痢が止まらない日々となりました。
ペルーアンデスは、比較的時間をかけずに登れる山が多いのですが、次は、23日のピスコでの高度順化を兼ねた登山です。

最悪の体調のまま、ピスコをへ向かいましたが、事前の調査では、比較的容易に登れる山ということで、緊張感もないままにでかけました。
ところが、既に雨季に突入した影響で、氷河に辿り着く前の二つのモレーンの通過に強い緊張感を味わうことになります。帰りも同じく、通常のルートが消えていました。抱えきれない大きな岩の落石の音にビビリ、何時頭上に落ちてくるかの難しさは予想もしていませんでした。勿論、氷河のルートは、写真でみたままに美しい景観でした。
そのような美しい景観なのに、下痢が続き、寒空に尻を晒し、白い雪を汚してしまいました。つくづく体調管理の大切さを感じました。

Piscoの景観:YungaychinancochaOrgoncochaBCmorainePisco
・・・下段に興味ある写真があればクリックしてみてください(拡大して見ることができます。)
   ピスコの写真の紹介の前にYungayの話題に言及します


ワラスからピスコへ向かう車の窓からHuascaranの雄大な姿が見えます。

そして、どうしても立ち寄りたかったYungayからワスカランを見上げました。
私が20112月にエクアドルの登山から帰国し、直後、311日が眼前の現実として体験しました。被災地の人々の困惑は、私の能力で表現することが出来ない情景を昨日のことのように覚えています。
実は、ご存知の人も多いかと思いますが、ペルーは1900年代に何度か大きな被災に見舞われています。特に、19705月31ペルー北部の高原地帯で発生したアンカシュ地震は、ペルー史上で最も被害の大きかった地震でした。勿論、ワラスも大きな被害に会いましたが、ユンガイは壊滅してしまいました。ワスカランの北峰が氷河と共に大崩落を起こし、約15,000,000m³と伝えられる土砂と氷塊が3000mの標高差から時速300kmで流れ落ち、当時の人口が約18000人であったユンガイの町を襲い、そして、ほとんどの住民が死亡しました。ピスコへ向かう途中から谷を隔てた先にワスカランを見ていますが、あの谷を想像できない土砂が流れ下ったということです。
現在は、壊滅した町から2㎞程離れた場所に新しい街が建設されています。
ペルー政府は、この地震で埋まったユンガイの被災地を国有化し、掘り返すことを禁止しています。国立墓地と定めているとのことですが、墓地については、目にしていません。


ピスコでの体調不良が癒えて、いよいよ本番のアルパマヨに向かいました。

さて、目指すはAlpamayo5947m)です

世界でもっとも美しいといわれる山(ドイツの代表的山岳雑誌が世界の著名な登山家・探検家・旅行家65名にアンケートをとり1位なった結果)です。もっと細かいことを言えば、世界一美しいと称された懸垂氷河のピラミッドである北西壁です。そのルートへ向かうには、最低テントでの89日が必要でした。それは、長期の休みを取ったとは言っても、仕事の関係で諦めました。とは言え、今回の45日でアプローチした南西面側は、上部から切れ落ちる無数のヒマラヤひだが素晴らしいとされる姿であり、出会うのが大きな楽しみでした。
ピスコの時とは別人のように快調となり、周囲の景観を楽しむ余裕もあって楽しい毎日でした。

Alpamayoの景観:CarazCashapampaLlamacorralJatuncochaQuishuarAlpamayo


先ず、
Caraz の町でアルパマヨを登った気分なる看板を見て、その後、Cashapampaから始まる渓谷の入り口の狭さから、本当にアプローチできるかとの懐疑的な気分になります。

ところが、あの狭い登り口から想像でき難いLlamacorralQuishuar Alpamayoは何れも開放感イッパイの雰囲気を味わうことになります。

いよいよ登山開始となりますが、予想以上に予定登山ルートの困難性がましていました。
雪崩の跡が緊張感をあおり、そして、縦横に口をあけたクレバスは安全な登山を保証しないよと語りかけているようでした。そして、ワラスの名ガイドの一人に数えられているAgripinoさんの判断と私の意思は一致し、撤退することにしました。
撤退というとネガティブな感覚を持つかもしれませんが、私にとっては、この季節のアルパマヨ、そして、地球規模での変化を体験できたことが結構な満足感に満たされました。

ピスコの時も体験しましたが、地球はダイナミックに新たな時を迎えることを改めて感じる面白さがありました。

「花の話題」
山の話題を一先ず終えて、次は。花の話題に移ります。
実は、沢山の花の写真を撮ったのですが、今日は時間がないので「サボテン」だけを紹介させていただきます。
登った山は、氷雪に覆われた山なのですが、実は、南緯9度前後の熱帯に位置する地域です。ということで、サボテンが標高3000m付近では沢山あるわけです。


続きは、順次追加ということで・・・
まだまだ、お見せしたい動植物や人々の暮らしの写真があります。
楽しみにしていただければ嬉しいです。

2013年12月03日